コロナ禍におけるセキュリティの脅威とは?令和2年警察庁のデータから見る犯罪の傾向
令和3年3月4日に警察庁より「令和2年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」が発表されました。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い企業のテレワーク実施、キャッシュレス決済の普及などによりインターネットが一般生活に拡大していく一年でしたがそれに伴い、サイバー攻撃などの脅威は危機的な状況にあると報告されています。
社会のデジタル化の進展に伴う脅威
警察庁によると防衛関連企業・電気通信事業者への攻撃、また国外において新型コロナウイルスワクチン開発に関する攻撃が発生、ランサムウエア(身代\金型サイバー攻撃)やスマホ決済サービスの不正振替事案の発生などが見られたと報告されています。
また国内においても新型コロナウイルス感染症に関わるサイバー犯罪が疑われる不審メール・不審サイト等が都道府県警察から警察庁に報告されているとのことです。
サイバー空間の脅威醸成
サイバー攻撃を行うためインターネット空間での探索行為等を行うアクセスは増加傾向にあります。これはパソコンやIoT機器へ侵入できる穴があるかどうかを機械的に探す行為です。
犯罪者は個人を特定することはなく、とりあえず攻撃が成功する所を調べて侵入してきます。「自分は狙われるような情報はもっていない」と思っても犯罪者が利用するプログラムはお構いなしに攻撃をしてきます。フィッシング詐欺に関しても被害金額は減少していますが、発生件数は高い水準にあるとのことです。
新型コロナウイルス感染症に関するサイバー犯罪が疑われる事案が拡大
コロナ禍にて『お家時間』が増えることによりサイバー犯罪の脅威は拡大しています。各都道府県警察本部から警察庁に報告されたコロナウイルス感染症に関わるサイバー攻撃が疑われる事案は887件あるとされています。
具体的な報告事例
① 詐欺
「インターネットのショッピングサイトでマスクを注文して、指定された口座にお金を振り込んだが、商品の発送日を過ぎても出品者から連絡 がなく、商品も届かない。」といった偽販売サイトの手口
② 個人情報搾取
「総務省を名乗り、『2回目の特別定額給付金を支給する。』という内容のメールが届いたので、指定されたURLにアクセスし、クレジットカード番号等を入力したところ、クレジットカード情報等が盗み取られた。」といったフィッシング詐欺の手口
③ 不審メール・サイト
「お客様宛の個人給付金を預り中です。口座に送金するので、説明を希望する場合は、このメールに返信して下さい。」といった不審メールの手口
様々なバリエーションで犯罪者がコロナウイルスを起点に攻撃していることがわかります。
犯罪者は世の中の流れに合わせて攻撃手法を変える
日本中で猛威を振るったコロナウイルス、政府も含め日本全国で対応策が取られていますが、それを利用して犯罪行為を行う人が出てきています。今後普及していくワクチン関連などで詐欺被害が出てくることも十分想定することができます。普段からニュースなどで政府や自治体の動きを把握し、不用意な情報に飛びつかないよう注意をすることが必要になります。