Vol.6 スマホルールの作り方(その3)小学生編親子対話に使える!ネットとスマホの安全の話
いよいよ、スマホルールの設定方法です。
前回からのつづき
スマホの購入や、細かな利用ルール作りの前に大事な前提条件があります。
【1】スマホは親の所有物
【2】利用目的をはっきりさせる
【3】ルールの設定と運用は根気良く厳密に
前回に続き、今回は【3】について説明していきます。
【3】ルールの設定と運用は根気良く厳密に
スマホの利用ルールづくりは、トラブルを防いだり対処したりするためのものです。「トラブル」に対する「対策」の構図を親子で共通認識をもつことが大切です。
トラブル 対策(ルール)
まずは、トラブルの種類についてのおさらいです。お子さんと話しをする時の、アジェンダにどうぞ。
ネット・スマホ利用トラブルの種類
- 利用場所や時間の問題
家族の会話、勉強や睡眠時間が減る、不安や心配事の増加、ネット依存症、ながらスマホでの事故 - 友人とのコミュニケーショントラブル
文字だけのコミュニケーションによる誤解、ケンカ、非難、いじめ、誹謗中傷、個人情報の暴露 - 自分や他人の個人情報を際限なく公開してしまう
犯罪者や炎上の標的になった時の危険性、重大トラブルへの発展 - 悪意のある大人の接触、誘い出し、ストーカー
誘拐、性犯罪被害、金銭被害、傷害や殺人事件への発展 - 嘘の情報、不適切なコンテンツの閲覧
デマや嘘の情報を信じて拡散する。エロ、グロ、暴力、ギャンブル、薬物など不適切コンテンツ - 社会的に問題のある行為、違法行為を犯す
投稿やリークによって炎上、個人攻撃に発展するリスク - 誹謗中傷、炎上、個人特定、嫌がらせの被害
公開された場所での言い争い、大多数からの攻撃、心のダメージ - アカウント乗っ取り、ウイルス感染、ネット詐欺などの手口
犯罪行為の踏み台になる、不正アクセス法違反を犯側になる、金銭被害
これらの中の3つぐらいでよいので、ネットでニュースになった事例を検索し、それを見せながら
「こんな事件があったんだって」
「こんな時、どうしたらいいかわかる?」
「トラブルになるとちょっと怖いよね」
といった話しをしてみるのが、良いのではないかと思います。
もちろん、年代によって理解できる内容は変わってきます。
小学生~中1ぐらいであれば1~4まで。
それ以上であれば、社会的なニュースの理解もできるようになるので、5~8までを話しても大丈夫でしょう。
「ルール」はトラブル予防や起きたときにどうするかを決めたものであるべきです。
また、子供であっても一方的な禁止や納得できないルールは守りたくならないですよね
どんなルール設定をしたらいい?(小学生編)
お子さんと一緒に、「トラブルを防ぐ」という目的が確認できたら、子供自身にルールを考えてもらいましょう。
自己申告してもらったルールと、保護者の要望のルールを出し合って、両者が納得する内容をつくります。
自分で設定したルールは言い訳ができませんし、自主的な行動を促すことにもつながります。
作成したルールは紙に書き出して、壁などいつも見える場所に貼りだします。
言語化することは、行動習慣を身につける第一歩です
ルールの設定内容は家庭によって様々ですが、小学生向けの一般的なものを以下に上げてみたいと思います。(アンチョコとしてご活用ください)
<我が家のスマホルール/小学生編>(例)
- スマホやネット利用の講習の受講や、ネット安全に関する書籍を読むなどして感想文を書く
- 利用は21時まで、寝るときは自分の部屋に持ち込まない、充電は保護者の寝室
- 家族との食事の間はスマホを触らない
- 歩きスマホ、ながらスマホは絶対にしない
- スマホゲームは常時2つまで
- アプリの追加は保護者に内容を説明して許可を得て行う
- SNSはLINEだけ。保護者とだけつながり許可。(or 学校の友人までつながり許可)
- 人の悪口の書き込み、ケンカはスマホではしない
- 自分や友人の本名、住所、電話番号、学校名など個人情報は書き込まない
- 毎週1回、スマホの利用状況チェックを受け、どんな使い方をしているのか、面白かったこと、ムカついたこと、疑問に思ったことなどを報告する
- スマホを他人に貸さない、使わせない
などなど・・・
これらは一例ですので、子供との話し合いの中で、このような項目が出てくるように、うまく誘導してください。
そして、守るべき優先事項を絞り込んで、ルールの数を減らしたり、追加したり工夫してみてください。
小学生であれば、
- スマホを使う時間や場所
- 機器の管理の方法
- 使うアプリの制限
- SNSなどコミュニケーション上の注意点
- 親による毎週末の利用状況チェック
などを、初歩的な項目のみをピックアップして一緒に考えてはどうでしょうか?
ルール作りのための参考資料ってある?
最初のルール作りには、ガイドとなる資料があった方が便利です。
ベネッセ子供基金と京都府警が昨年発表した小冊子がPDFで公開されており、無償で利用可能です。
小学生ぐらいの初めてスマホをもつお子さんと、その保護者にぴったりの内容だと思います。ルールを書き込むフォーマットもサンプルが用意されています。そのまま使っても良いですし、リテラシーの高いお子さんには、もう少し項目を加えてみても良いと思います。
「初めてのスマホ安心ガイドブック」
https://blog.benesse.ne.jp/kodomokikin/support/useful/2020/03111438.html
そして、ルールを決めたら「保護者も一緒になって実践する」こと!
子供の教育には、保護者が率先して見本になるのが一番です。特に利用場所や時間に関するルールは、子供の習慣として定着するまでは、保護者も覚悟をもって一緒にやってみましょう!
「歩きスマホをしない」
「運転中はスマホに触れない」
「食事中のスマホはしない」
「夜、寝ながらのスマホはしない」
大人ですから、それくらいできますよね。
さあ、準備はいかがですか?
それではお子さんとスマホルール作りに取り組んでみましょう!
そしてルールの見直しは、子供の成長にあわせ適宜行っていきましょう。
さて次回は、もう少し上の世代、中学生~高校生のルール作りについて説明をしていきたいと思います。
BBSS オンラインセキュリティラボ
シニアエヴァンジェリスト 山本和輝