春から新生活!はじめてのスマホ 高校生たちにスマートフォン利用の実態を聞いてみた Vol.2DMナンパ?twitter炎上?子どもの陰に潜む危険を誰が回避する?!

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前回に引き続き女子高校生へのスマートフォンの利用実態インタビューをお送りします。ルールを守っても被害にはあってしまう。具体的にどのような被害にあっているか聞きました。

前回の記事はこちら

「自分だけは大丈夫」その油断に潜む危険とは?

interview_03.jpgYouTubeを見たり、人狼ゲームを楽しんだりと、毎日スマホと過ごしている彼女たち。LINEやTwitter、InstagramといったSNSもフル活用しています。Twitterは2~5個のアカウントを持ち、本垢(リアルな友達と繋がるアカウント)と趣味垢(好きな芸能人など趣味で繋がるアカウント)というように使い分けもお手の物です。

そんな彼女たちでも、ネットで怖い思いをしたことがあるそう。

「LINEのタイムラインに載せた画像が飲酒をしているように見えたらしく、スクショ(スクリーンショット)を取られてTwitterに拡散されてしまった。学校まで特定されてしまったので、親と学校に相談し、警察の力を借りた」

interview_illust_02.pngTwitterは拡散力の強いサービスです。その事柄の真偽を確かめず、おもしろいと感じれば「RT(リツイート)」して、自分が繋がっている人に広めてしまいます。はじめはLINEで繋がっているごく一部の人に見せた日常の写真が、いつの間にか学校を巻き込む問題に発展してしまう点は、ネットならではの怖さです。

「LINEを乗っ取られた。友だち全員に電話番号とIDを教えてほしいというメッセージが送られてしまった」

LINEの乗っ取りも、一時期頻繁に発生しました。LINEに登録しているメールアドレスとパスワードを知られてしまうことが主な原因でした。現在は「二段階認証」という仕組みが導入されたため事態は収束していますが、「なりすまし」などの被害は引き続き起こっています。

また、Twitterを通じて面識のない人から連絡が来ることもあるとのこと。

「知り合いの男の子が、友達のアカウントが繋がっているアカウントに片っ端から声を掛けている」

「LINE消しちゃうからここに連絡して、という知らない人から別のサイトへ誘導するLINEが来た」

「家が近いとか自分のことを知っているような感じでTwitterのDM(ダイレクトメッセージ)が来て、会おうよとか、LINEのIDを教えてと言われた」

とはいえ、「知らない人とは会わない」と彼女たちは口を揃えます。

「知り合いの知り合いとか、身元がはっきりしている同士でのオフ会には参加したことがある。でも、ほんとにそれだけ」

また、ネットやスマホのトラブルで怖いのは、金銭面です。オンラインショッピングはどの程度利用しているのでしょうか。

女子高生たちに聞いてみると、自分では買わないという子が二人、フリマアプリ「メルカリ」で好きなアーティストのサイン入りグッズを買ったことがある子が一人、CDを時々買う子は二人いました。女子高生たちはクレジットカードを持たないので、コンビニ支払いを利用してお小遣いで払っています。また、ネットでの買い物は親に頼むケースもあるとのことでした。

有害な情報はリツイートや広告から「自然に」入ってくる

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ここまで話を聞いていて、彼女たちは非常にまじめでネットにも慣れている印象です。有害な情報に接してしまうことはあるのでしょうか。

「Twitterでリツイートでゴキブリを食べている男子高校生の動画が回ってきたことがあった」と言う子がいました。リツイートとは、Twitterで繋がっている人に広める機能のこと。知り合いとしか繋がっていなくても、その知り合いが別の知り合いの投稿をリツイートすれば、否が応でも目にしてしまいます。特に、動画の場合は自動再生機能があり、画面を眺めているだけでその動きも見てしまうのです。

また、まとめサイトなどに表示されるアダルトな内容の広告についても聞いてみると、やはり目にしてしまうが「慣れてしまった」とのこと。慣れるほど表示されてしまうという事実が垣間見えますね。

一方、「バカッター」と呼ばれるような、悪ふざけをTwitterに投稿する人は身近にはいないとの話も聞けました。高校生は「バカッコイイ」動画を作るのに忙しいようです。「バカッコイイ」動画とは、ごみ箱を背にしたままごみを投げ入れたり、リュックに財布をシュートしたりする日常の動作がかっこいい動画です。スマホは情報を消費するだけではなく、クリエイティブな使われ方もしています。

速度制限は無料Wi-Fiスポットでしのぎ、抵抗はなし

interview_05.jpgところで、動画を楽しんでいると通信量がかさみます。高校生たちは速度制限にならないよう、月の通信量をチェックしながら使っています。そんな彼女たちに「無料Wi-Fiスポット」はありがたい存在。5人中4人の子が「無料Wi-Fiスポットに接続することに抵抗はないと言いました。しかし、一人の子は、そのリスクを友達から教わったと言います。

「無料のWi-Fiスポットにつなげると便利って思うかもしれないけど、そのWi-Fiにつながっている人にパスワードとか知られるって聞いた。やばい感じになるって聞いたからやらない」

無料のWi-Fiスポットは、きちんと店や施設が提供しているものもありますが、その名前を偽装するのは簡単です。店舗のスポットだと思って繋げると、パスワードを含めた個人情報を抜かれる可能性はあります。本物か偽物かを判断するのは不可能なので、できるだけ繋げないという自衛も大切ですね。

女子高生たちのインタビューはここまでです。一部の大人よりもスマホやネットの危険を知っていて、なおかつ自分を守る方法もわかっている女子高生たちでも、怖い思いをしています。

これからスマホを持つ小学生や中学生は、まだスマホやネットの楽しい部分しか知りません。ネットの向こうは楽しいことだけではなく、少し怖いことがあること、何かあったら親に相談することなどをしっかり伝えていきたいですね。

(ライター:鈴木 朋子)