スマホ向け迷惑メール撃退方法 迷惑メールが情報漏えいのきっかけ?!

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スマホに迷惑メールが届いたらどのように対処していますか。昨今、巧妙なだましの手口を使った迷惑メールをきっかけに、悪質な出会い系サイトへ誘導されてしまったり、スマホ内の連絡先情報などを盗み取る不正アプリに感染してしまったりするケースが相次いでいます。今回は、iPhoneやAndroid端末といったスマホ利用時の迷惑メールへの対策方法を紹介します。

スマホも迷惑メールのターゲットに

インターネットを利用するほとんどの人が悩まされる迷惑メール。気がつくとメールボックスの大半が迷惑メールに占められてしまい、重要なメールを見逃してしまった、という経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。迷惑メールはパソコンだけでなく、スマホやタブレット端末もターゲットにします。スマホでは通信会社から提供されるメールアドレスに加え、Webメールの利用も身近なものになり、自由にメールアカウントを設定して利用することが可能です。迷惑メール配信業者は爆発的に普及するスマホやタブレット端末の利用者も格好の標的として狙い始めているのです。

スマホも迷惑メールのターゲットに

迷惑メールとは文字通り、受信者が受け取ることを希望しない迷惑なメールのことです。スパムメールなどとも呼ばれ、商品の広告や宣伝、サービスへの勧誘を目的としたものから、不正プログラムへの感染や詐欺などの明確な悪意を込めて送りつけられるものもあります。従来利用者に送りつけられる迷惑メールの大半は英語でしたが、最近は日本語のものも数多く確認されるようになっています。

スマホ用のアプリを紹介し、ダウンロードサイトへ誘導する迷惑メールが届いたら要注意です。最近は、「バッテリー消費量を抑えられる」「電波を改善できる」などの誘い文句で、不正アプリをインストールさせる手口が流行しています。この手口では、ユーザを信用させるための仕掛けとしてAndroidの公式マーケット「Google Play」に似せたWebサイトへ誘導するケースもあります。そこには、あたかも評判の良いアプリであるかのような偽のレビューが載っています。ただ、このような投稿を信用してアプリを導入すると不正アプリに感染し、電話番号やメールアドレスを盗み取られてしまいます。

誘導に使われるスパムメール

迷惑メールが届いてしまう前に・・・・4つの回避術

そもそも、なぜ迷惑メールが届いてしまうのでしょうか。そこを理解すれば、迷惑メールが届いてしまうのをある程度回避できるようになります。

怪しげなWebサイトでURLを入力してしまった。

悪意のある第三者が運営するWebサイトでメールアドレスなどの情報を入力・送信してしまうと、それらの情報を悪用されてしまう恐れがあります。また、見覚えの無いメールマガジンが手元に届き、その中の購読停止手続きのリンクをクリックさせたり、配信停止用メールアドレスに返信させたりする手口もあります。こうして集まったメールアドレスのリストは悪質な業者間で売買されているため、一度リストに登録されてしまうとさまざまな業者から迷惑メールが届くようになってしまいます。

回避術1:メールアドレスを使い分ける

メールアドレスの入力・送信を避けられないケースもあります。たとえば、ネットショッピングや会員サービスを利用する際には、メールアドレスの登録が求められます。この場合は、プロバイダ契約で利用していたり、仕事やプライベートで使用したりすることの多い重要なアドレスを登録しない手があります。事前に準備したフリーのメールアドレスなどを登録専用アドレスとして利用することも一つの方法です。

インターネット上にメールアドレスを公開してしまった。

悪意のある第三者は、Web上を自動的に巡回してデータを収集するクローラーと呼ばれるプログラムを使って、インターネット上に公開されるメールアドレスを集めています。ブログやSNSサイトのプロフィール欄などにメールアドレスを公開してしまうと、迷惑メールのターゲットになる可能性が必然的に高くなります。

回避術2:メールアドレスをむやみに公開しない

インターネット上でメールアドレスを公開するのは危険です。悪質な業者はWeb上で収集したメールアドレスへ迷惑メールを送りつけ、不正なWebサイトへ誘導しようとします。ブログやSNSサイトでメールアドレスを公開するのも避けた方が無難です。

不正アプリに感染してしまった

不正アプリに感染してしまうと、端末から個人のメールアドレスを含めた電話帳情報を外部に送信される場合があります。このケースでは友人や知人の不注意で自身のメールアドレスが漏洩してしまう可能性もあります。

回避術3:信頼できるマーケットからダウンロード

Google Playやキャリアの公式等、著名で信頼できるマーケットからのみアプリをダウンロードするようにし、不正アプリの感染リスクを回避しましょう。

業者はメールアドレスをランダムに生成する

メールアドレスはアルファベット・数字からなる単純な文字列です。このため、辞書に載っている単語や、名前・誕生日などを組み合わせたメールアドレスのリストを比較的容易に作成できてしまいます。だれにも教えていないメールアドレスに迷惑メールが届くのはこのためです。

回避術4:第三者が推測しやすいメールアドレスを避ける

メールアドレスの設定は慎重に行いましょう。英字と数字をランダムに組み合わせたメールアドレスを設定すると迷惑メールが届きにくくなります。名前や誕生日など、第三者が推測しやすい文字列を設定するのは避けた方が無難です。

迷惑メールが届いてしまったら・・・・4つの対処法

どれだけ注意していても、迷惑メールが届いてしまう可能性はあります。あなたが注意していても友人が不正アプリに感染してしまうと、あなたのメールアドレ スが流出してしまうかもしれません。では、実際に迷惑メールが届いてしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

対処法1:明らかな迷惑メールに近づかない

迷惑メールを受け取ってしまったら、とにかく開封せずに削除してください。興味本位や好奇心で送信元不明の不審なメールに返信してはいけません。迷惑メールに貼り付けられたURLのクリックも厳禁です。これは、どのメールアドレスに送ったリンクからアクセスされたかを知るための「トラッキングURL」を悪用する手口があるためです。一度、不審なメールに返信したり、URLをクリックしたりしてしまうと、あなたのメールアドレスが使われていることを業者に知らせてしまうことになります。配信側も反応のないメールアドレスに迷惑メールを送り続けたくないはず。反応さえしなければ、リストから消えていくことも期待できます。

対処法2:疑わしいメールに返信・対応しない

著名な企業をかたるメールを注意深く確認してください。著名な商号の一部を形状の似た漢字や文字に置き換えたり、カタカナ表記にしたりするなどのテクニックを使用し、受信者が混同するような社名を名乗ってくるケースがあります。とはいえ、メールの真偽を確認するために文中の連絡先に問い合わせたり、メールに返信したりすれば相手の思うつぼです。少しでも疑わしいと感じたら正規のサービス提供会社に直接問い合わせてみてください。パソコンに比べて画面が小さく、社名やURLの見づらいスマホからメールを確認する場合は特に警戒が必要です。

対処法3:Webメールの迷惑メール対策を利用する

主要なWebメールは、独自に迷惑メール対策機能を用意しています。これを利用すれば、迷惑メールの受信をブロックできます。

対処法4:セキュリティソフトを利用する

スマホ向けセキュリティソフトの中には、特定のキーワードを含むメールをブロックしてくれるものもあります。これは、タイトルや文中に含まれるキーワードから、迷惑メールと思われるものを自動的に遮断する機能です。また、不正なURLへのアクセスを未然にブロックしてくれる機能があれば、迷惑メールを起点とする詐欺被害に遭ったり、不正アプリに感染してしまったりすることも防げます。アプリの安全性を事前に検証し、アプリが端末内の情報を漏えいする危険性をはらんでいる場合に警告を表示してくれるセキュリティソフトを選ぶことも重要です。不正アプリ感染によるメールアドレスの漏洩を防ぎ、迷惑メールの届きにくい環境を整えましょう。

消費者をだまして不当に利益を得ようとする犯罪の手口はますます複雑化しています。迷惑メールも、不正なWebサイトに誘導したり、情報や金銭を盗み出したりする犯罪の温床になっています。被害に遭わないよう、迷惑メールの回避術と対処法を押さえておきましょう。

トレンドマイクロ社より記事提供