知らない間に子どもは遭遇している?!ネットトラブルとリスク
インターネットで横行する詐欺の手口
突然ですが、「ワンクリック詐欺」という言葉をご存知しょうか。ウェブサイトの検索や広告バナーの誤タップから詐欺サイトへ誘導され、いきなり高額の料金を請求されるケースです。スマホやパソコンの画面には、「アダルトサイトや出会い系サイトへの有料会員登録が完了した」として、表示支払期限までに金額を振り込めという指示が掲載されています。こちらのIPアドレスが表示されるなど、思わず信じてしまう仕掛けがされているため、被害が後を絶ちません。
このワンクリック詐欺に子どもが引っかかってしまうことがあるのです。スマホやパソコンだけでなく、音楽プレーヤーなどインターネットに接続する機器ならすべて可能性があります。出来心でアダルトな言葉で検索をかけた子どもが親に言い出せず、退会手続きをするために自分の名前や電話番号などを登録してしまった事例もありました。また、子どものスマホにメールでアダルトコンテンツの利用料とする架空請求が来て、親が慌てて支払ったために再度請求が届いたというケースもあります。
詐欺サイトは、ネットショッピングができる通販サイトを装っていることもあります。人気の商品を市場価格より安く販売しているため、つい購入してしまうのですが、お金を振り込んでも商品は郵送されてきません。こうした詐欺通販サイトは日本国内ではなく海外で運営されていることが多く、日本語が間違っていることで怪しいと気づく人もいます。
「お金を振り込んだが商品が来ない」というケースは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)でも発生しています。コンサートチケットを定価で譲るという人に振り込んだがコンサート当日にもチケットは送られてこなかった件では、中学生が親に頼んで振り込みをしたそうです。ネット詐欺は、大人の被害も絶えないので、親子で知識を付けておく必要があります。
子どもに見せたくない情報からどう守る?
インターネットは誰でも発信することができる自由な空間です。そのため、信頼性の低い情報や誹謗中傷、デマなども制限されることなく掲載されています。特にグロテスクな画像やアダルトコンテンツを子どもに見せたくないと考える保護者の方は多いと思います。最近は「R18」に指定されているWeb漫画も多く、「18歳以上です」というボタンをタップするだけで読めてしまいます。
子どもに不適切な内容を「ブラウザ」で表示させないようにするには、携帯電話会社が提供している「フィルタリング」オプションを契約すると良いでしょう。ブラウザの代わりに携帯電話会社が提供している専用ブラウザアプリを利用して有害なサイトへのアクセスを遮断することができます。また、アプリの新規インストールを制限したり、ゲームアプリの起動制限ができたりと、携帯電話会社や利用しているスマホのOSによって利用できる機能が異なります。まずは携帯電話会社のウェブサイトで確認してみるといいですね。
さらに、利用時間を制限する、位置情報を把握するなど、きめ細かな保護を行いたい場合は、「ノートンファミリー」がおすすめです。友達とのメッセージのやりとりや楽しい動画に夢中になり、つい使いすぎてしまうスマホの利用時間を曜日ごとに決められるので、勉強や睡眠時間の確保ができます。ただし、この機能はAndroidスマートフォンとパソコンでのみ利用できます。また、格安スマホを利用しているお子さんには、携帯電話会社のフィルタリングオプションは利用できないため、「ノートンファミリー」などの専用アプリで対応するといいですね。
ネットトラブルは親子で防ごう
ここで触れたネットトラブルは代表的なもので、細かなトラブルは他にもあります。あらゆるトラブルに巻き込まれないためには、普段から親子の話し合いを持つことがもっとも有効です。また、子どもから相談を受けたときに正しい処置ができるように、親も勉強しておきたいですね。フィルタリングなどの道具もうまく活用しつつ、楽しいインターネット生活を送りましょう。
(ライター:鈴木 朋子)
国民生活センター架空請求より
http://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/kakuseikyu.html
埼玉県 小学生・中学生・高校生の消費生活相談
https://www.pref.saitama.lg.jp/b0304/gakuseinenpou/