KNNポール神田のセキュリティ心理ハック! Vol.1
ソーシャルメディアで漏洩する個人情報 自分の無知が、知人に被害を与えてしまう構造に要注意①

特集記事

ソーシャルメディア、スマホ万能型社会

コミュニケーションツールの例

今やソーシャルメディアのtwitterやfacebook、LINEは、「メディア」というよりも「コミュニケーション・ツール」 として欠かせないSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)となっている。

という巨大なユーザー数を抱えている。また、10代のスマ−トフォン閲覧時間においては、1日104.3分(約1時間45分) となり、テレビ94.9分、パソコン89.8分と差をつけ、スマートフォンが主要メディアへと成長していることを物語っている。(http://resemom.jp/article/2014/06/11/18900.html

大手のニュースサイトを閲覧するよりも、知人の「いいね!」やtwitterのリツイートなどからキュレーションされた情報の方が自分にフィットしていることもよくある。さらに常時閲覧し、常駐するサービスとなっていることも十分理解できる。そして、スマートフォンは、時計や計算機、カメラ、ビデオの代替デバイスとなり、地図、手帳、時刻表、新聞、雑誌、漫画、楽器、そして財布も加わり、家のカギ以外、「スマホ」一つですべてが片付く時代へと近づいている。もはや21世紀は、スマートフォンとSNSさえあれば、万能な社会なのだ。

ソーシャルメディアの普及

1967年、社会学者のスタンレー・ミルグラム博士が「6人の隔たり(SixDigree)」で米国民がすべてつながるというスモールワールド理論を発表した。当時は郵便で立証するというものであったが、ソーシャルネットワーキングは、まさにこの隔たりを立証するツールとして爆発的に普及してきた。
2002年にFriendsterが登場した時、それに刺激されたプログラマーたちは、こぞってFriedsterクローン版であるサービス、mixi GREE facebookなどがこぞって開発を始めた。そこからSNSの歴史はスタートした。

そして、あれから10余年の月日が経過した。facebookやtwitterやLINEは、あのGoogleやApple、Microsoft、Amazonですら獲得できなかったSNSネットワーク王国の座を占拠してしまった。そして、同時に個人を認証するための入り口という最高のポジションも獲得してしまっている。その理由は、あっという間にユーザーの声を開発に反映する爆発的なグロースハック術があったからだ。

facebookのグロースハック戦略は、単にユーザーのソーシャルグラフを可視化するだけではなく、実名制を取り入れ、公開の距離を管理させたことだろう。リアルな実名制はまさにfacebook(卒業名簿)代わりとなり、承認されることにより、電子メールやメーリングリストへと変化した。そして、twitterよりも深く議論ができる環境をも構築した。さらに、独自のハイライト表示のアルゴリズムにより、知人のニュースフィードの表示さえも意図的に編集しはじめたのである。

さらにサードパーティーには、facebookアプリの開発の場を提供し、ユーザーの個人情報にアクセスできる権限を与えてしまった。facebookの収益化模索の時代は「いいね!」を獲得するキャンペーンで顧客属性が得られるということでいろんなアプリがfacebookページと共に広告市場を支えてきたのだった。そして、現在もその名残りで顧客データを活用するfacebookページが後を絶たない。それが深刻な問題となりつつある。